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2018-07-22
この記事は2018-07-22に書いた記事です。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。
7月23日(月)から5日間(朝7時〜朝10時)、マックの新アイスコーヒーSが無料とのことですね。以前もマックはコーヒーを無料でバラまいてましたが、コーヒーを無料にするのが好きなんですかね。
このようなお試しとか試飲などの、いわゆる『フリー(無料)戦略』というのは古くからある手法で、かなり多くの企業が採用しています。なのでご存知の方も多いかと思いますが、フリー戦略の基本と、中小企業におけるフリー戦略について少し書いていこうと思います。
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無料の戦略は大昔からあるのですが、フリー戦略として有名になったのは、クリス・アンダーソンという人が2009年に出版した『フリーからお金を生みだす新戦略』という本のおかげです。フリー戦略は4つに分類することができるので、まずはそれぞれの特徴を書いていきます。
商品・サービスの基本をまず無料で提供し、そこから有料サービスを使ってもらうという戦略です。
などなど。これら全て無料から始まりますが、その後にちゃんと購入や入会などといった有料へ移行するように組み立てられています。課金する事で『容量の追加』『画質の向上』『新機能の追加』『閲覧制限解除』『割引』『アイテム購入』などのプレミアムなサービスが受けられるようになります。
ある商品・サービスを無料で提供しますが、その分他の有料商品・サービスを購入してもらって補填するという考え方の戦略です。
などなど。少々誤解を生みそうなのですが、オマケ的に何かを無料にするのも、継続的に購入してもらう為に最初を無料にするのも、両方この直接的内部相互補助に含まれます。さらにある一定の、例えばポイントがいっぱいたまったら何かを無料、などの囲い込みに使う手法も、これにあたります。
これは、提供者と消費者の二者間ではない第三者が費用を負担するモデルです。
TVやラジオなどのように、ユーザーは無料でそれらを視たり聞いたりできますが、CMや広告を流すことで第三者が費用を負担してて番組制作もしているというモデルです。紙面に広告を入れているフリーペーパーも、このモデルです。あとはGoogleの検索もそうです。
社会貢献的な価値の提供ですね。お金が絡まないです。
Wikipediaなどがこれにあたります。
本来は『割引』ではなく『無料』の方が良いです。心理学的に『半額』より『無料』の方が引きが強く、集客効果が高くなります。なので、ピザ屋は『ピザ半額』ではなく『2枚目無料』という言い方をしています。
無料で提供する商品・サービスは、『ホントに無料で良いの?』と思わせるくらい、クオリティの高いちゃんとしたものを提供をしないと意味がありません。返報性の原理といって「こんなに良いものを無料で提供してもらって、何かお返しをしないと心苦しいな」という心理状態になりやすく、有料に繋がりやすくなるからです。
また、特に中小企業は信用がないので、フリーの提供により、ファンを作り、お客さんの信用を得たいです。無料だからと言っていい加減なものを提供すると、マイナス効果になる可能性もあるので注意が必要です。
無料から有料へ誘導できるように、そもそものビジネスモデルはちゃんと組み立てておかないとなりませんね。収益化がうまくできなくて、つぶれてしまうこともよくあります。
それと似たようなことなのですが、フリーを提供する際のコストに気をつけます。基本的に、売上の無いフリーは、提供すればするほどマイナスになっていくものなので、なるべく極限までコストがかからないものにしたり、個数の制限などをしないと、フリーを提供している最中に(収益化する前に)倒産してしまいます。収益化までは時間がかかるので、ここの計算をミスらないようにしたいところです。
冒頭のマックのコーヒー無料が、いわゆる上記のようなフリー戦略以外に、何か他に狙いがあるとしたら僕にはわかりませんので、以下はものすごく主観的な意見になってしまうのですが、この時期ならアイスコーヒーS無料より、シェイクS無料の方が良い気がします。理由は、暑いのと、夏休みなので、子ども達狙いですよね。シェイクをもらいにきた親御さんが、お昼をマックにする可能性はめちゃくちゃ高い気がしますし。
長い目でみると、リピートしやすいのでビジネスマンを捕まえた方が良いようにも見えますが、コーヒーはコンビニが強過ぎるんですよね。ちょっとリスクが高い気がします。どうせコーヒーをやるなら、やはり新たなルーチンを作りやすい春先かなと思います。
ということで、フリー戦略は、今や基本的な戦略の一つかもしれませんが、非常に効果的な戦略の一つです。
そして、中小企業は大企業と同じ土俵では絶対勝てません。例えば、思いっきりターゲットを絞った商品に限定してフリー戦略を使ったり、または大企業の土俵とは少しずらしたフリー戦略を立てたりすると、比較的うまくいくかと思います。
参考:[マーケティング]大企業の真似はNG!小さな会社が勝つ方法(ランチェスター戦略)
ということで、フリー戦略は是非是非うまく使ってみてください。
あつがなついぜ
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