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2018-09-10
この記事は2018-09-10に書いた記事です。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。
新たに製品開発をする際に、昔ながらのやり方で製品を先に作ってしまう人がよくいらっしゃいます。プロダクト志向などとも言われ、製品ありきの考え方です。しかし、今の時代でこれをやると、おそらく時代にそぐわないものが完成し、売れる可能性の低いものになってしまうでしょう。
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なぜNGか、なぜ売れないか、の理由は単純で、作る側が良いと思うものを作っているからです。他社より安いとか、品質が良いとか、最新技術採用とか、今までに無いものとか、どこに”良さ”を定義するかは色々なケースがあると思いますが、この考え方だと多くの場合、顧客ニーズとのズレが生じてしまうのです。
そもそも、この製品ありきの考え方というのは、ものが無い時代の概念です。需要過多の場合なら成り立つ可能性もあるのですが、バブル崩壊後はその逆で供給過多になり、世の中にものが溢れていますので、良いものでも売れないという状態になっています。その状況を考えれば、このような作り手目線のものは、現代では売れる可能性が低いと言うのもよくわかります。
上記の製品ありきの考え方は「プロダクト志向」「プロダクトアウト」などと言われますが、反対に、顧客ニーズを掴むことで顧客が必要としているものを作っていくという考え方を「マーケットイン」などと言います。
マーケットインの考え方では、『顧客が望んでいるもの=売れるもの』を作るわけですから、当然、売れる確立はプロダクトアウトに比べ非常に高くなります。とても無駄がなく、失敗しにくい、理にかなった考え方と言えます。
バブル崩壊後、それまでのプロダクトアウトの考え方では売れなくなったので、このマーケットインの考え方がもてはやされました。
プロダクトアウトとマーケットインという2種類の考え方があるわけですが、時代の流れを考えればマーケットインの方が優れているという結論が出るかと思います。しかし不十分です。
マーケットインのデメリットを言うと、顧客が望むものを作るということは、画期的な製品や新たなアイディア商品は出てこないということが言えます。そして、ニーズを掴むやり方は、どうしても多数派の意見を採用することになるので、商品の方向性は各企業とも同じ方向へ進みやすく、市場にはほとんど同じ物が溢れる結果になりやすいわけです。かといって差別化もしにくいので、この場合は価格競争などがおきてしまい、市場がどんどん悪い方向へ進みかねません。
プロダクトアウトのメリットは、画期的な製品や新たなアイディア商品が出てくる可能性があるということがあげられるかと思います。けれど、この記事の最初で述べた通り、顧客とのズレがおきることが多く、したがって売れる可能性が低いというデメリットがあります。
このように、プロダクトアウトとマーケットインは、裏と表のような関係性になっているのですが、製品開発はどちらかに偏るようなやり方ではなく、両立させるように戦略を考えていく必要があるかと思います。自社の強みや技術、顧客ニーズ、市場、あらゆることを意識して、製品開発をしていきたいところです。
ものを作る人は、売ることを話し出すと怒ります(笑)これはある意味当然で、売れるものを作るということは画期的なものが作れないということなので、つまらないから技術者は嫌がりますよね。けれど、国や大学の研究機関などではなく営利目的の団体で製品開発をしている場合は、売れないとダメなことが多いのも事実です。で、売るためには、顧客ニーズをみたし、かつ画期的な商品が必要ということになるのですが、なかなかこのようなことをバランスよくマネジメントすることは難しいことなのかもしれませんね。
今更ながら、ドラクエ11がこんな名作だったとは…
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