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2018-07-02
この記事は2018-07-02に書いた記事です。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。
ビジネスやマーケティングの世界では、その状況を戦争や戦(いくさ)と重ね合わせ、兵法や軍事戦略をもとにしたビジネス理論・マーケティング理論がたくさんあります。その中でもおそらく最も有名で実用的な戦略の一つとして、ランチェスター戦略があります。
ランチェスター戦略とは、第一次世界大戦で〜〜〜…。ん、まぁ、詳しい歴史的なお話はどうでもいいですよね。もとは軍事法則だったくらいを知っていれば。気になる人は、wikipedia:ランチェスターの法則など、すみませんがご自身で調べてください。
ということで、その軍事戦略を小さな会社がどうビジネスやマーケティングに活かすかというお話です。
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ランチェスターの法則は2つの法則があります。ランチェスター”戦略”の話の前に、その裏付けになるランチェスターの”法則”をまずは理解する必要があります。
例えば、<A社5人>vs<B社3人>で戦います。武器は皆同じ銅の剣(武器の強さは全員同じ)で接近戦をした場合、
戦力=武器効率×人数
になりますので、武器効率を1とすれば、A社の強さを数値で出すと『5』、B社の強さは『3』になりますので、A社が2人を残して勝ちます。非常に単純なのでわかりやすいです。基本的には接近戦で1対1の話です。
次に第二法則ですが、例えば同じように<A社5人>vs<B社3人>で戦うとして、今度は、武器が変わります。銅の剣ではなく機関銃になりました。射程距離が長く広域に攻撃できるので、接近戦ではなく広域戦の場合になります。第二法則の公式は、
戦力=武器効率×人数の二乗
になりますので、武器効率を1とすれば、A社の強さは『1×(5の二乗)=25』です。B社は、『1×(3の二乗)=9』です。第一法則の差はわずか2でしたが、第二法則の方は16もの差があり、こういう戦い方をするとA社の戦力が圧倒的になることがわかります。
このように、第二法則は、第一法則に比べ、人数の差が大きな戦力差になります。
まず、弱者の定義は、1位以外です。2位以下は全て弱者と定義します。
弱者は、人数差が出ないように局地戦をしかけることを最初に考えます。つまり、顧客を思いっきりセグメントして、ターゲットをしぼり、その中で圧倒的に勝つことをまずは目指します。そのために、他社との差別化ということが非常に重要になってきますが、差別化をするために必要なのは、やはりその市場の理解でしょう。
なので、一点集中するために、俯瞰した視点で市場を見て、自分達が絶対負けない強い部分だったり、ニッチな部分だったり、競合のあまりいない部分だったりを攻めていきます。決して「なんでもできます」的なアレはやってはいけません。何かに特化します。
これで、人数差(販売力、営業力の差)を消すことができます。
そしたら今度は、武器の強さに磨きをかけます。先ほどは銅の剣でしたが、より強い、はぐれメタルの剣を持ちたいわけです。これはビジネスの場合だと、商品力ということになります。
まとめると、思いっきり差別化して局地戦をして人数差(販売力、営業力の差)を無くし、その状況で商品力をあげます。そして1対1の戦いに圧倒的に勝つことで、強者に対抗していく戦略というイメージになります。
強者は、基本的には弱者の戦略の逆を考えていけばOKです。
強者は多くのリソースをつぎ込めるわけですから、1対1ではなく、1対多数という広域で勝負するよう戦略をたてます。1対多数の場合は、人数の差がもっとも多く出るわけですから、広域戦をしかけ、総合力の勝負をしかけることで、弱者を排除していくことが可能です。したがって、派手な広告や展示会への出展、代理店制度などは強者がやると効果的です。
また、弱者の真似をすることでもその弱者を排除することができます。これが、俗に言う『大手が参入したら勝てない。』というやつです。実は、特徴の無い弱者への対策はこの真似っこ作戦で充分です。
ランチェスター戦略は、弱者の戦略と強者の戦略の話なのですが、このようにやはり弱者には弱者に適した戦略があります。
なので、例えば、総合力がものを言う強者の戦略を弱者がとってしまうと、やはりうまくいきません。
市場の理解や自社の理解を正確に行い、どのようにどういう方向でビジネスを進めていくかをしっかり検討できると、ビジネスを成功させる確立がどんどん高くなります。ランチェスター戦略も、知っていて損は無い理論の一つですね。
小さい頃、「人間は本気で修行したらかめはめ派が打てるようになる」と、本気で思っていました。
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