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2018-07-11
この記事は2018-07-11に書いた記事です。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。
唐突ですが、ライフサイクルが短くなった昨今、会社組織、あるいはビジネスのやり方は、今後どのようになっていくと思いますか?従来のようにリソース(特に人材)を自社に抱えて組織を大きくしていきますか?それとも積極的に外部組織との連携を高めますか?
このようなことも、成長曲線(Sカーブ理論)から考察することで、未来が見えてきます。
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成長曲線は、人(赤ちゃん)が成長していく様子をグラフにしたものをイメージする人が一般的には多いのかもしれません。または、ビジネス用語と認識している人もいるかもしれません。どちらも間違ってはいませんが、実は成長曲線を使う範囲をそんなに狭める必要は無く、基本的には森羅万象あらゆることにあてはまるものです。成長曲線は、自然の基本的な原理原則ということになります。
※100%ではありません。例外は必ずあります。
成長経済まっただ中の1983年、会社組織の寿命(盛期)は30年と言われていました。しかし、2000年前後を境に情報化社会になり、物事の移り変わりのスピードが劇的に変わった現代では、既に会社の寿命は10年を切って7〜8年くらいと言われています。(日経ビジネスより)
もちろんもっと長くやってる会社はいくらでもあります。元京セラの稲森さんが言うように「会社の手入れをすることで寿命は伸ばせるが、それができない会社は淘汰される」ということなんだと思います。
つまり、ざっくり言うと、一つのビジネスモデルだけに頼ったり、それを進化させなかったり、だと、それでも昔は30年くらいもったけど、今は10年ももたないよ、ということですね。
会社自体を成長曲線に当てはめてみます。成長曲線の法則で『導入期、成長期、成熟期の期間は、ほぼ同じになることが多い』ということなので、会社の寿命が約7年〜8年とすると、
くらいの時間的感覚になると思います。
そして、企業が人を雇える時期というのは、成長期しかありません。成長期を過ぎればあとは事業が終焉へ向かいます。言い換えると、成長期のたった2年半程度しか、社員を育てる時間が無いんです。2年半じゃとても人は育ちませんし、仮にもし育ってたとしてもその頃にはもう、成熟期、衰退期、と、事業自体が終わっていく方向になってしまいます。
これがわかって来た企業側は人材の採用を大きなリスクと捉えるようになりました。なので、『即戦力になる経験者を採る』か、『採用をしないで既に持ってるリソースと外注でなんとかする』か、という2択になってしまいます。中々、瞬発的に良い人材は見つかりませんから、後者になりやすいですね。
ちなみに昔のように(1983年の頃のように)30年くらい会社の寿命があれば、現在と比べ約4倍の時間的猶予がありますので、実に9年〜10年近くも成長期が続きます。これなら人材を雇って育てる事ができましたよね。
このように、ライフサイクルが短くなったために、社員を抱え辛くなりました。同じ理屈で、設備を抱え込むのも微妙です。他には例えば、オリジナルの大掛かりな専用システムの開発なんてのも微妙です。使える期間が短いのでそこに投資をする意味がないんです。
したがって合理的に考えるなら、現代の中小企業は、なるべく自社では抱え込まず、コア事業のみに特化する形で会社を経営する方向にシフトチェンジせざるを得ません。事業自体をシステマチックに考え、自社の人手はかけないように組み立てます。
そして、コア事業以外の部分は、外注です。そのため今後は、あらゆる分野の外部パートナーとの連携が必要不可欠になってくるかと思います。
これだけライフサイクルが短くなると、いわゆる昔ながらの抱え込み型の会社組織って、一部の大企業を除き、もう時代にそぐわない形なのではないでしょうか。今後は、コア事業に特化した会社(あるいは個人)が、プロジェクト毎に手を組んで、事業を進めていくスタイルが一般的になっていく可能性が高いわけですから。
買ってもいつも使い切れないで賞味期限切れになってしまう醤油などは、お隣さんから借りてくれば良いのです。シェアという考え方がこれからより進んでいく流れかと思います。
表題で5年後としたのは、本来はもう限界なんだけど2020年のオリンピック景気のおかげもあり、だましだましやってこれていたものが、いよいよ目に見えて限界にくるだろうと推測される時期が、その頃だろうと考えたからです。そこまで論理的な数字ではありません。
しかしどちらにしろ周期的には、今の社会構造自体が、成長曲線で言えば既に衰退期に入っているわけですから、この場合『新しい成長曲線を新たに始める』か、『形を変えて進化させる』か、『破滅』か、という選択肢になります。何もしないでそのまま成長していくことはありえません。したがって、どう転んでも必ず何らかの変化が起きると予測できるわけです。
新たなものはコワイので古いものを保守したくなる人は一定数いると思いますが、限界なのでそれはほぼ不可能です。変化後は、今までの常識が通用しなくなる社会が来るかもしれませんね。頭をやわらかくして、新たな変化をどう受け入れていくかが今後のカギになるのは言うまでもありません。
ちなみに先日、成長曲線の記事を2つ書きました。こちらも是非ご覧ください。
「アイスカフェラテ一つ」「ホットでよろしいですか?」「…はい。」強制的にホットを購入。今日気温33度なんだが…。
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