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2018-07-25
この記事は2018-07-25に書いた記事です。
情報が古くなっている可能性があるのでご注意ください。
『過去の成功体験が事業を失敗させる』という、当たり前の話です。特に新規事業など新たに何か始める場合や、既存事業の再構築を検討している場合などで、さらに過去に事業を成功させた事がある人、に当てはまる話かと思います。社長さんやある程度事業をコントロールできる立場にいる人が多いですかね。
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過去に成功体験のある人の場合、『こうしたらうまくいく』とか『ビジネスはこうやるんだ』といった、成功した時にやった考え方に固執していることが、多々あります。さすがに何も意識しなければ誰でもそうなると思いますし、偉そうに言っている僕も、何も考えなければ、頭の中はそのようになります。
まぁみんなでわちゃわちゃ昔のお話をしているだけなら、それで良いのです。
しかし、新たに何か事業を始めたりする場合は、恐ろしい事にその思考回路が事業を失敗させますので、注意しなければいけません。
ビジネスを成功させる基本は、成功法則をなぞるのではなくその逆で、『やってはいけないことをやらない』という考え方が基本です。また、厳しい言い方になりますが、昔の成功哲学のようなものは、現代では通用しません。したがって、過去に成功体験のある人は、まず頭の中をリセットしなければなりません。そこに気づかずに、一発目の出だしで既にミスっている人が意外と多くいらっしゃるんです…。
バブルの頃など経済が右肩上がりの時代に、いわゆる一発当てたような社長さんに多い傾向かもしれません。当時成功した方法論を、2018年の現代にそのままスライドしてしまうパターンです。
例えば当時、『良いものを安く仕入れ、相場より遥かに安く売る』ということをして成功したけど、現代でそれをやってもうまくいかず、失敗してしまった。という話があります。
これは、当時まだ情報が無い時代ですからね、安く仕入れるノウハウは一部の人しかもっていない情報ですし、単純に物が売れる時代ですから、ある程度のクオリティの商品であれば、宣伝すれば売れます。とても売りやすい時代です。
この方法論を、物が売れない現代にそのままスライドさせてもうまくいきません。日本の消費者は世界的にも頭が良いと言われています。さすがに、30年以上も前の方法論、商品クオリティ、マーケティングでは、現代の消費者は満足しません。
過去の成功というのは、過去の時代に合ったものです。現代では『今の時代』をベースに考えなければ無理でしょう。
時代背景をしかり汲み取ることができれば、上記のようなことは『やってはいけないこと』だとわかるはずです。
関連記事:[マーケティング]『良い商品で安い』のに売れない理由
上記は、主に時代が違うという垂直的な話でしたが、今度は水平的な話で、時代がわりと近くても、ビジネスが違えば考え方が大きく変わるという話です。
例えば、非常にニッチな分野の事業で成功したけど、すぐ次に行おうとしている事業が、いわゆる厳しく難しい商売だったりした場合によく起こります。(極端な言い方をしていますが、厳密には事業が違えば全ての場合で起こると思います。)
先に成功したニッチな市場に向けたやり方を、厳しく難しい次の商売にそのままスライドさせても、うまくいかないということですね。当然、おさえなければいけないポイントが違うので、当たり前かもしれません。
けれど、ニッチな方でうまく行ったイメージが抜けないため、お金をかけるべき場所や、クオリティにこだわらないといけない場所、そして事業を構成するための重要項目や優先順位、その他諸々のポイントにズレてしまっていることに気づかないのです。
もし、成功体験のイメージをリセットできれば、新たな事業の方も成功する確立が高くなるでしょう。
基本的には、成功体験を、そのまま新たな事業へスライドさせることは、『やってはいけないこと』ということになりますね。
関連記事:[マーケティング]大企業の真似はNG!小さな会社が勝つ方法(ランチェスター戦略)
世代間などと言ったりもします。昔の常識と今の常識があまりにも違うので、こういうことが起きたりするのかもしれません。
また、A事業においての常識と、B事業においての常識も、思ったより大きく違うものです。
移り変わりが激しく、価値観が多様化している現代において、過去の成功体験を捨てられるかどうかというのは、最初の一歩です。そして、時代の流れをしっかり掴み、大局を掴みながら、どのように事業を進めていけば良いのかを常に考えていかなければいけませんね。
さすがに武空術とか空中浮揚とかは無理ですよね。
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